Bulk modulus and Shear modulus

LS-DYNAでは,材料物性モデル(*MAT)に体積弾性係数 K(Bulk Modulus)やせん断弾性係数 G(Shear Modulus)の入力を頻繁に求められます。塑性力学の教科書には,たいてい記述がありますが,頻度が少ないので探すのが面倒です。そのためここに掲載することにしました。

鋼材などの一般的な材料モデルの多くは,静水圧または平均応力(mean stress)σmと圧力 p(pressure)の関係は次式で定義されます。

さらに一般的な材料モデルの多くは圧力 p と体積ひずみ εV (Volumetric Strain)との関係は,次式で定義されます。

ここで,登場する比例係数 K が体積弾性係数(Bulk Modulus)であり,次の式で表されます。

ここで,E はヤング率,ν はポアソン比です。
ポアソン比が 0.5 だとすると K は無限大になります。

同様に,せん断弾性係数G(Shear Modulus)については,次式で表されます。

LS-DYNAのほとんどの材料物性モデルは,大きな非線形性を対象としていることが多く,モデルによっては K や G の取り扱いに特殊性がありますので注意して下さい。しかしながら,MAT_024のような一般的な弾塑性体モデルの多くはここで掲載してある定義で問題ありません。