No.198 使用済核燃料プールのスロッシング解析 ver.1.0

原子力発電所の原子炉建屋上層階にある使用済核燃料プールのスロッシング解析の一例です。ピット内部の燃料集合体や内部構造は簡単化して、正弦波で加振しています。

福島第一原発の建屋水素爆発事故に至るプロセス究明の第一歩は、燃料プールの冷却水が地震時のスロッシングでどの程度減少したかを把握することと考えられます。新聞報道によると4号機で作業中の作業員の方がプールの水を胸までかぶったとありますから、地震時のスロッシングにより冷却水がフロアに溢れて散逸した可能性が高いと考えられます。プールの水位の低下を概略把握することで、1〜6号機のプールの冷却能力が初動段階でどの程度まで低下したかを知る手がかりが得られるはずです。(燃料ピットの冷却材喪失)

建屋全体の健全性等は応答スペクトル解析で行われますが、スロッシング挙動はFEMシミュレーションが有用です。
ただし今回の2011年3月11日14時46分に発生した巨大地震の地震継続時間は約200秒以上あるので、現象時間の観点から解析は容易ではありません。解析を実施するためには、目的を明確に絞って、徹底的に軽量なモデル化を追及する必要がありそうです。
なお,本事例はあくまで技術検討を目的としたサンプルであることをご了承下さい。

spent fuel pit / sloshing test
図 1 燃料ピットのスロッシングテスト解析

spent fuel pit / sloshing test
図 2 燃料ピットのスロッシングテスト解析

spent fuel pit / sloshing test
図 3 燃料ピットのスロッシングテスト解析

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